大手管理会社に委託をしている中で、明らかに高額な見積りを出す会社が増えてきています。
その背景には、管理組合や理事会がマンション管理の正しい知識と関心を持っていないことが一因として挙げられます。
結果、管理会社へ依存状態となりコスパの悪い営業提案のターゲットになりやすいです。
その上、修繕工事はオーダーメード性が高く、費用の妥当性を一般人は判断しにくく、例え割高でも、事業者からもっともらしい説明をされれば、それを適正価格だと誤解してしまいます。気付かずに高い買い物になっているのです。
高額な見積もりを提示された時に、その説明を鵜呑みにしてしまうか、修繕周期や施工範囲を見直し、業者の選定も管理会社や設計コンサルタント会社などの修繕事業者に依存せず、独自に探すなどのアプローチの違いだけでも、何千万円単位で変わってくる。そういう世界です。
国交省では、毎月の修繕積立金の増額は、長期修繕計画(長計)に基づく修繕費用の総額を毎月で割った「基準額」の1.1倍以内までに抑える案を検討中ですが、この長期修繕計画の数字も、結局は、営利企業である管理会社や設計コンサル会社に依存している状態で、その会社のサジ加減で変わります。
長計の見直しの際に『物価高で』と、ちゃっかり法外な計画にして、『基準額』を好きに引き上げ、彼らの利益の原資である修繕積立金をいくらでも引き上げられる状態に変わりはありません。
こうした構図になってしまうのも、マンション管理会社への過度な依存状態が原因です。そもそも管理会社は分譲時から無競争のいわば“抱き合わせ契約”の言い値で割高な可能性が高いにもかかわらず、疑いもなく毎年、契約更新され続けていることが一般的です。
国交省の調査でも既存マンションの70%が分譲時から管理会社を変更していないそうです。
その上、工事では多重下請け構造の問題もあります。管理業務を委託される管理会社は、管理組合にできるだけ高額な工事を勧め、関係会社に安く発注することで、中間マージンやキックバックによる収益も肥大化できるという利益相反的な側面も強いです。
もちろん、これはマンション管理会社が悪徳なわけではなく、これが事業構造であり、それ以上でも以下でもありません。しかしながら、管理組合が賢明で経済的な管理を目指す中で、まずはこの構造を理解した上で対策を講じる必要があります。
「管理会社に『お任せ体質』ですと、値上げしたお金がそのまま中間マージンやキックバックへ消えているだけ、ということになってしまいかねません。
実際、上場している管理会社はコスト増に苦しむどころか、毎年のように最高益の更新を決算で公表しています。
管理会社をパートナーだと信じて言われるがまま、割高な工事をするほど、管理会社は儲かる。大規模修繕事業は管理会社にとってその集大成的なイベントだとも言えます。
回避策としては、普段より管理会社を変える、マンション管理士などにセカンドオピニオンとして相談をするという事が非常に大事になってきます。
とはいえ、理事長も含めて交代制で行っている管理組合様が多いため、理事会の議題として理事長や理事が変わったとしても管理組合として方向性を定めて、次の担いの方に情報を繋いでいく事が何よりも大事だと思います。
弊社は通常の足場による大規模修繕工事と無足場工法によるロープアクセス工事の両方をメイン事業としていますが、
空室対策、不動産管理、保険、士業の派遣などオーナー様の様々なお困りごとをトータルでサポートをしております。
相談は無料ですので、お悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。